村社会もいいかもしれないってゆう話

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village

いきなりですが、みなさん「村社会」ってどう思いますか・・?

あまりいい感じの言葉ではないですよね「村社会」って・・。

わたしが最近とっても「村社会っぷり」を感じたニュースはあれです・・。お相撲の土俵の上で倒れてしまった市長さんのニュースです・・。

スピーチ中にバッタリ倒れてしまって、危険な状態になっている市長さんを、応急手当しようとして集まってきた女性たち・・。その女性たちを「女は土俵に入るな!」といって追い出そうとしてしまったという、あのショッキングなニュースです・・。

公共的な観点からすると「病人を救護する」というのが、いの一番の優先事項になるはずなのに、「相撲村」の中のしきたりでは「土俵に女性を上げてはいけない!」というルールが、うっかり優先されてしまう事例が起きてしまう・・。

村社会っていうのは、こういう風に外から見るとちょっとズレた、ヘンテコな価値観がまかり通っていることがあるので、みんなから嫌われてしまうんですよね・・。

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話は変わりますけども、この前学生の頃のクラスメートたちと、同窓会みたいな感じで飲み会をやったんです。そこでみんなで盛り上がった、ちょっぴり「深イイ話」があるんですよ・・。

あるクラスメートの男の子の話なんですが、その子は父親の小さな会社を継いで、社長をやっている子なんです。その子が「年配を人を叱るのがとっても難しい・・」と愚痴をこぼしていました・・。

年配の人をあまり強い口調でたしなめると「生意気な若造だ!」みたいに相手を怒らせてしまうことになるし、弱い口調でたしなめると仕事の改善に取り組んでくれなくて、いつまでも失敗が直らない・・。いったいどのくらいの程度で「ダメ出し」をしていいものか、そのサジ加減にとても悩んでいるというのです・・。

わたしはテーブルの隅っこで芋焼酎のロックを飲みながら、みんながその話についてワイワイと活発に議論する様子を盗み聞きしていました。

そしてみんなが話し合いの末に出した結論っぽいものは「やっぱり信頼が大事だよッ!お互いなんでも言い合える関係になることだよッ!」といった感じのものでした。

わたしは口にこそ出しませんでしたが、これを聞いていて「ほう・・なかなかいい話やんけ・・」と、ちょっぴり関心したんですよね・・。

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わたしは帰り道をトボトボ歩きながら、この話を頭の中でこう整理していました。これはおそらく「公共の価値感」と「ローカルな価値観」の対立なんです・・。

21世紀の我が日本には「若者は年配者の言うことを聞くべし!」みたいな、なんだか儒教道徳チックな古めかしい価値観が、ほのかに漂っています。この「公共」の価値観を「ローカル」の価値観で塗りつぶす・・。互いに向かい合った二人の関係を「若者と年配者」という関係でなくて、「私とお前」という関係で塗りつぶすこと・・。このやり方はなんだかとっても重要です・・。

このやり方をうまく使えば「白人の方が偉い」とか「男性の方が偉い」とか「高学歴の方が偉い」みたいな、世間で流通しているいや~な感じ優劣の関係を、局所的に転覆させることができる。「公共」にまかり通っているヘンテコな価値観を、「村社会」が切断して、その場限りのオリジナルルールに書き換えることができるんです・・。

この構図はとても大事だと思います。だってわたしはこれからの時代、「公共」はどんどん変な方向に向かっていく気がするからです・・。「狂った公共」が拡大していく中で「なんとか正気を保っている村社会」が、虫食い穴のようにそれに抵抗する、そんな世界観になっていく気がするんですよ・・。

もしそうだとしたら、村社会はそんなに悪いものじゃないかもしれない・・。むしろ村社会はめっちゃ大事なのではないか・・。いやでも相撲協会はさすがにダメでしょ、あれはダメ・・。

そんなことを思いながら、わたしは帰り道をトボトボと歩いて帰りました・・。

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