photo by Arya Ziai
年がら年中ダイエット宣言をしている私ですが、やはり2015年も痩せることができませんでした・・。2016年こそ、このぽっこりとしたお腹周りをなんとかしたいと思い、ダイエット関連の情報を漁っていたら、なんだかためになる記事を見つけました。
マイク・バーランドさんというダイエットの専門家が書いた「Fat-Burning Machine: The 12-Week Diet」という本の要約です。マイクさんは読者に「Fat-Burning Machine になれ!」と熱く語りかけています。「脂肪を燃焼しまくる人間火力発電所になれ!」ということなのでしょうか。一体どういう内容なのでしょうかね・・。
以下マイク・バーランドさんが説く「あなたがダイエットに失敗する10のシナリオ」を紹介します。
目次
「食事制限だけで痩せようとする!」
マイク 僕は過去に様々なダイエットに挑戦して、ことごとく失敗を繰り返してきました。いつもダイエットをやり初めたときは少し体重が落ちるのですが、そのうちリバウンドして、当初より体重が重くなってしまうのです。
これは一体なぜなのでしょうか・・?理由は簡単です!僕は我慢するのが大嫌いだからです!
いつも自分で決めたダイエットのルールを守り続けることができなくて、食べ物をパクパクつまみ食いしてしまい、お腹に脂肪を溜め込むような行動に走ってしまうのです。僕がダイエットのルールから脱線してしまう原因、実はそれは僕の意志によるものではありません。僕の身体の作りがそうなっているからなのです!
「インスリン抵抗性」という言葉があります。肥満の人の多くは「インスリン」というホルモンの感受性が鈍くなり、脂肪を蓄えやすい、飢餓感を覚えやすい体質になっているのです。この状態で食事制限によって痩せようとすると、僕のようにリバウンドの返り討ちにあってしまい、よけい太ってしまう可能性が高いのです。
減量するときは、食事制限だけで行おうとするのは得策ではありません。ウエストサイズ、コレステロール値、血圧、これらのいろいろな要素を考慮して、食事制限やエクササイズといった様々な方法を織り交ぜながら、健康的・計画的に痩せていく必要があるのです。
「無計画に運動する!」
マイク 肥満体だった当時の僕は、一生懸命汗を搾り出そうとして、ジムに通ってエクササイズに励んでいました。「汗をたっぷりかかないと減量できない!」と思い込んでいたのです。
しかし、こういった激しい運動はとても辛いもので、僕はすぐこりてしまってあまり長続きしないことが多かったです。やはり運動は自分の好みに合わせてやるべきだと痛感しました。僕はアウトドアで活動するのが好きだったので、マラソンやトライアスロン、スキーといった、いろんなスポーツレースに出るようになりました。ジムで篭りきりになるより、こっちの方が自分の性に合っていたようです。
大事なのは、ダイエットのための運動は自分のライフスタイルにあった形で導入することです。自分が何をするのが好きで、どんな運動なら楽しんで続けられそうかを考えることが一番です。
また、ダイエットに有効な運動の仕方ですが、「短時間の激しい運動」と「長時間のゆるやかな運動」を織り交ぜるのが効果的です。短時間の激しい運動は、身体の血管のネットワークを再構築し、インスリンの反応を向上させる効果があります。また、長時間のゆるやかな運動は、効率的に脂肪を燃焼させる効果があります。
「激しい運動」と「ゆっくりとした運動」にそれぞれ役割があることを知って、使い分けをすることが大事です。当時僕が思い込んでいた「やたらと汗をかけばよい!」という考えは、あまり有効ではなかったのです。
「やたらと食事を抜く!」
マイク 僕は食事を抜くことを誇らしく思ってました。「空腹であることはダイエットがうまくいってる証拠!」とまで思っていました。そして腹ペコの僕は、食事のときはとても貪欲でした。シャチが魚の群れにかぶりつくように、いつも一気に食事にがっついていました。飢えた狼と化した僕の食事内容は、とても偏っていました。腹ペコのときに、健康的なサラダを食べようという気はなかなか起きませんからね。
僕は理解しました。やはり、食事は満足のいくようにとるべきです。でないと結局よけいに食べ過ぎてしまうのです。いつも腹ペコでフラフラの状態にあるようでは、安定して体重を減少させることができませんし、ライフスタイルにも悪影響を及ぼします。
ダイエットでポイントとなるのは、どんな食事をとるかです。インスリンの分泌を促し、よけい空腹感を高めるようなものは食べるべきではありません。
まずは朝食はしっかりととりましょう。そうしないと自分の一日が台無しになってしまいます。ビタミンやミネラル、炭水化物、植物性脂肪やタンパクがバランスよく含まれた複合糖質を摂ることが大事です。
そして、ダイエット用の補助食品をとりましょう。栄養が豊富で、飢餓感を減らし、そして脂肪をよく落とす食品です。時間をおいてたくさん食事をとるよりも、こうした補助食品をこまめに口にするのが、ダイエットにとても効果的です。
こまめな食事はホルモンの分泌を正常化させ、血糖値を安定させます。そして血糖値が安定すると、身体はインスリンの分泌を始めて、食べ物を燃料として消費し始めます。これにより、食べ物が身体に脂肪として蓄えられにくくなるのです。
間違った食事や間違ったエクササイズは、よけいに腹ペコを誘発し、インスリンの分泌を妨げ、結果として身体の脂肪がつきやすくなってしまうのです。
「身体に悪い食事が大好き!」
マイク 「健康的な食事は美味しくない」そう考えていた時期が僕にもありました。僕は油たっぷり、塩分たっぷりのポテトフライが大好きで、毎回サンドイッチにポテトフライを2つ頼んでいました。そして、僕は毎食のようにパスタやライスをたくさんとっていました。これがバランスの取れた食事だと思っていたのです。
こういう食べ物の好みを変えるのは、かなり時間がかかりました。ヘルシーな食事をおいしく楽しんで食べられるように創意工夫しながら、なんとか自分の味覚を調教してきたのです。僕は最初はニンジンくらいしか好きなものがありませんでした。そのうちオレンジを食べるようになり、続いてブロッコリーやカリフラワーに挑戦するようになり、そして最後は恐れていた芽キャベツさえ食べられるようになりました。
健康的な味を好むように、自分の味覚を改革してきたのです。
「フルーツばっか食べまくる!」
マイク 僕は野菜は大嫌いでしたが、フルーツは大好きでした。ある夏の僕のお気に入りの食事は大きなフルーツサラダでした。大きなスイカを買ってきて切り分けて、一日中それを食べまくっていました。フルーツならば延々と食べ続けることができたのです。
また、僕はエクササイズのあと、よくバナナジュースを飲んでいました。バナナジュースには筋肉の痙攣を防止し、回復力を高める効果があります。そして、バナナジュースにはたっぷり砂糖が入っていて、僕の飢餓感を高めて、僕のトレーニングの成果を台無しにする絶大な効果がありました・・。
そうです、フルーツを取りすぎると飢餓感がより高まるのです。フルーツの中の糖分は、僕の身体の肥満スイッチをオンにしてしまう効果があります。たしかに糖分が少ないフルーツはありますが、しかしそれらを食べると結局もっともっと食べたくなってしまうのです。
なにもフルーツを全く食べるなとはいいません。適度ならいいです。しかし、僕のように糖分の高いフルーツを食べまくるのは全くお勧めできません。
「筋力トレーニングを怠る!」
マイク 僕はウエイトリフティングが苦手でした。生まれつき肩幅が広くて胸板が厚いため、ウエイトリフティングをすると、よけいに僕の身体が大きく厚くなってしまうのではと不安に思っていたのです。あと、みんながバーベルを上げるときに発するうめき声、あれがなんだか恐くて、ビクビクしながらジムに通っていました。
でもしばらくジムに通い続けていて気付きました。筋力トレーニングには僕の身体を巨大にするというよりは、強く引き締まったものにする効果があったのです。筋力トレーニング続けることで、僕は身体をシェイプアップすることに成功しました。
筋肉は代謝が活発な組織なので、脂肪を効率的に燃やすためには筋肉を付けることが有効です。とくに下半身の筋肉はシェイプアップに重要な要素です。筋肉をたくさん使うと、運動が終わったあともダイエット効果が持続します。休んでいるときや寝ているときでさえも、筋肉の修復のために身体の代謝が働き続けるのです。
ここでポイントなのは、エアロビクスのような有酸素運動と、筋力トレーニングの要素を持つ運動、この二つを合わせて行うことです。有酸素運動は心肺機能を向上させる効果がありまし、筋力トレーニングは筋肉の調整力を高めたり、骨密度を維持することに役立ちます。この両方を運動に取り入れていくと良いでしょう。
「いろいろつまみ食いしてしまう!」
マイク 僕はなにかをちょっとだけつまみ食いするのが大好きです。いつもプレートにいろんな食事をよそって食べます。おいしいかどうかは別にして、念のため一応口にしてみるのです。「ちょっと味見してみるだけ」と自分に言い聞かせながら。
実はこの行為がとても重大な問題だったのです。ちょっとつまみ食いするだけで、別にたらふく平らげる分けではないのです。それでも僕にとっては十分な悪影響があったのです。
問題なのは、僕の味見したものがズッキーニやプレーンヨーグルトといった健康食品ではないことでした。味見するものはたいてい糖分が高いものや炭水化物が多いのです。繰り返しますが、こういうものばかり食べていると、僕の脳がこれらの食事を求めてしまうようになるのです。
こういった食品はスーパーマーケットにたくさん並べられています。人々は山盛りのケーキや、チーズがかかったクラッカー、パスタやソーセージといった食品を購入します。お店は全てを理解してやっているのです。これらの食品はあなたのインスリンの分泌を促進し、もっと食べたい、もっと買いたいとあなたをせき立てるのです。
たった一口食べるだけでも、食べ物の嗜好に影響を与えてしまう。その一口では満足ができずにもっと食べたくなってしまう。ホルモンのバランスが崩れて、僕の食生活を変える試みが挫かれてしまうのです。たった一口食べただけなのにです(しかも悪いことにたいてい僕は一口どころではなくてがっつりと食べてしまうのです・・)
「やたら脂肪分カットにこだわる!」
マイク 僕は食事の中から脂質を完全にカットする作戦を考えました。脂肪たっぷりのチーズを食べるのは一切止めにして、ゼロ脂肪のマヨネーズ・ヨーグルト・チーズをたくさん買い込みました。脂肪分カットと書いてあるものはなんでも買っていました。
そのため、僕はいつも飢えていました。エクササイズが終わったあとは特にそうでした。なぜかというと、低脂肪に調整された食べ物は、たいてい糖質が高いものだったのです。これは僕がやりたいことと全く逆の効果をもたらすものでした・・。
お腹の脂肪はなくした方がいいですが、食品の中の脂肪はそれほどカットする必要はありません。ある程度脂肪分を摂取することは、食事の満足感を維持することに繋がります。脂肪分はエネルギーを提供し、あなたの健康に寄与するものです。しかし、大量の炭水化物や糖分と一緒に摂取する脂肪は、あなたのダイエットにとって敵と言えます。
エクササイズと食事内容の変化を織り交ぜたダイエットはとても効果的です。どのように食事内容を変えていくかは、あなたの運動の具合によって決めるといいでしょう。たとえば、ダイエットの初期に35%の脂肪、35%のプロテイン、30%の炭水化物を取っていたとしましょう。そして、エクササイズの運動量が増えていくにつれて、より炭水化物を摂取して、脂肪やプロテインは減らしていく必要があります。
「朝にうっかり食べ過ぎてしまう!」
マイク 完璧な人間はどこにもいません。特に僕はそうです。綿密な計画が破綻するのはいつも朝食のときです。クリームチーズたっぷりのベーグルの誘惑に負けてしまうのです。朝に約束事が破られると、その日一日が破綻の連続になってしまいます。
一度朝の誘惑に負けてしまうと、一日中僕のメタボな体が脂肪と炭水化物を求め続けてしまいます。これは心理学的に言うと次のようなことでしょう。ある計画の初めの段階で不正行為が行われると、不正行為を合理化する気持ちが芽生えて、その後延々と不正行為が行われ続けてしまうのです。このようにして僕は朝にクリームチーズを平らげて、昼食にはチーズバーガーを平らげて、夜食にはスパゲッティカルボナーラを平らげてしまうのです。
まるでアルコール依存症のように炭水化物と糖分を求める中毒者なってしまった僕ですが、不思議なことに次の日の朝になると、その中毒はすっかり収まって元通りになります。炭水化物への渇望は、次の日には受け継がれない傾向があるようです。
もしどうしてもアイスやパスタを食べたいならば、ぜひ朝食よりも夜食にとるべきです。そうすれば、飽くなき食べ物への欲望が湧いてくる前にさっさと寝てしまって、次の日の朝に体調をリセットすることができるのですから。
「食事を楽しまない!」
マイク 僕はいつもダイエットは辛いものだと思っていました。「痛みを伴わない改革などありえない!」そういう考えにとらわれていました。僕は食べ物の誘惑に打ち勝つために、常に自分が食べたくない食品に囲まれて過ごす作戦をとっていました。
しかし、世の中に溢れる魅力的な食べ物を口にしてみたいと思うのが人情というものです。一生これらの食べ物にありつけないなんて僕には耐えられません。もしあなたがダイエットを続けたいならば、自分がおいしく感じられるもの、好きなものを食べながら、健康的に痩せていくべきです。自分に我慢を強いるよりかは、ダイエットに有効でおいしく食べられる、新しい食べ物を探したほうが得策なのです。
この考えに気付いた僕は、ヘルシーな食品をおいしく食べる実験を開始しました。朝は卵白で作ったオムレツを食べて、昼は特製のチキンサラダを食べて、夜はとっておきの隠し味を駆使した野菜や魚料理を食べていました。
僕は今まで行ったことのないレストランを訪ねて、めずらしい料理を食べ歩くのが大好きでした。今では、ダイエットに有効な食べ物を探して歩くことが楽しみとなっています。
「さいごに」
マイク ダイエットには誤解や思い込みがたくさんあります。僕は一つずつ事実を検証し、ときには自分で体験しながら、それらを順番に確かめてきました。
自分の思い込みを一つずつ検証していくためには、理性的・科学的な姿勢が大切です。また、過去の経験からくる洞察力によって「この方法は良くない」と直感的に判断することも大切です。この方法はダイエットに限らず、様々な問題に取り組むときに役立つ発想だと思います。
一つ自分の思い込みが解消されると、一つ人間は自由になるのです。我々の目標は自分の人生をより良く生きることです。そして、ダイエットはその目標のうちの一部なのです。
まとめ
以上、マイク・バーランドさんが説くダイエットの秘訣でした!
いろんな失敗を繰り返しながら、少しずつ正解に近づいていくマイク・バーランドさんに、なんだかダイエットに関する並々ならぬ情熱を感じますね・・。
マイク・バーランドさんの考え方の根底にあるのは「辛く厳しくなりがちなダイエットをいかにして楽しみながら行うか」という発想だと思います。そして、マイク・バーランドさんの言葉は「ダイエットをするのは人生を幸福にするため!不幸になっては意味がない!」というポジティブな信念に貫かれていると思いました。
私がなんとなく感じたことですが、マイク・バーランドさんがダイエットの中で本当に楽しみにしていたもの、それは「人に話のネタを提供する」ということではないかと思いました。いろいろとドジをやらかして、それを人に話して面白がってもらうこと、もしかしてそれが、マイク・バーランドさんの中で喜びとなる回路と繋がっていたのではないかと思いました。
私も何か自分の喜びとなる回路を見出して、それとうまく繋げることができれば、ダイエットを成功させることができるのかもしれません。しかし自分が喜びそうなこと・・いったい何かありそうでしょうか・・。ちょっと思いつきません・・。私はダイエット以前にまず自分の好きなものを作ることから始めないといけないのかもしれませんね・・。
参考サイト・参考文献:
参考「Jump-Start Your 2016 Weight-Loss With ‘Fat-Burning Machine’ Diet Tips」