photo by Val Wroblewski
こんにちは!ネット炎上ウォッチャーのもです!
先日大型プール施設の「東京サマーランド」が大炎上してしまった騒動をご存知でしょうか?
サマーランドの公式ブログで、以下のような「タトゥーのお客さんお断り!」の掲示をしたところ、SNS上で賛否両論の大騒ぎが起きてしまったというのです・・。
photo by 痛いニュース(ノ∀`)
サマーランドの文章は不思議!
なんだかケンカ腰にも感じるこの文章ですが、不思議なことにこの文章は「ひどい!けしからん!」と否定的な印象を受ける人と、「正論!よく言った!」と肯定的な印象を受ける人と、大きく二つに分かれる傾向があるみたいです。
これはまるで以前に流行った「青・黒のドレス」と「白・金のドレス」の議論を彷彿とさせますね・・。
この文章に否定的な人の声は、だいたい以下のようなものです。
・「イレズミの人を差別していて酷い!」
・「オフィシャルに公開する文章とは思えない!配慮がなさすぎる!」
・「海外だとこんな対応はあり得ない!人権意識に欠けている!!」
一方この文章に肯定的な人の声は、だいたい以下のようなものです。
・「全く正しいことを言ってる!何が問題だか分からない!」
・「このくらいはっきり言わないとちゃんと伝わらないだろ!」
・「しっかり説明できているしむしろ丁寧な対応!」
サマーランドの判断はどうなの?
私の個人的な感想ですが、サマーランドの「タトゥーお断り!」の判断自体に抗議をするのは、ちょっと可哀想な気がしますね・・。
上記の文章によると、サマーランドは世間のプールが「タトゥー禁止」をしている中で、しばらくの間「タトゥーOK」の方針を取っていたそうです。
その結果、タトゥーをした人々がサマーランドに集中して押し寄せるようになってしまい、園内はまるで「ドキッ!イレズミだらけの品評会!」のような様相を呈してしまったそうな・・。
これでは客足が遠のいてしまっても無理はありません。サマーランド側も「しょーがない!」といった気持ちで「タトゥー禁止」のルールを設けたのではないでしょうか。
もしサマーランドに文句を言うとしたら「タトゥー禁止」のルールにではなくて、むしろ上記の掲示文そのものにある気がします・・。
ドレスコードの暴力性!
掲示文の中では、「タトゥー禁止のルールはドレスコード(服装規定)と同じようなものだ!」と説明されています。
これはとてもうまい例えだと思います。
そうです、ドレスコードの中には実は人間を線引きするような、ある種の「暴力性」が内包されているのだと思います(なんだか大げさな表現ですが・・)
今ではずいぶんマイルドな形になりましたが、そもそもドレスコードには「みすぼらしいかっこをした人間はこの場所に相応しくない!」といった、人間を「階級」によって選別するような、ちょっぴり差別的な含みがあるのだと思います(こういう服装ができない下層民は来ないでくれよ!という含みですね)
このように人間をある基準によって「線引き」するときというのは、多かれ少なかれなんらかの「暴力性」が発揮されてしまう傾向があると思います。
例えば会社の採用面接のときに、「統計的にいうとあなたのような人間は、仕事を覚える効率がとても悪くて、社内で良好な人間関係を築く能力も低くて、退職率も高くて、企業にとって採用するメリットがないことが分かっています・・」
みたいにこんこんと不採用理由を説明されたら、おそらく人はブチ切れてしまうと思います。
会社が不採用理由を通知するときは「大変遺憾なことですが・・」と恒例のお祈り表現を使いますし(私が何度も目の当たりにした光景です・・)、高級レストランとかで服装を理由に入場を断るときも「お客様・・大変申し訳ありませんがそのようなお洋服ではちょっと・・」みたいなずいぶん配慮した表現を使うと思います。
サマーランドの文章では、なんだか開けっ広げな竹を割ったような言葉によって、「入場OK」の人間と「入場NG」の人間を線引きすることの暴力性が、隠すことなく露わに表現されてしまっているのだと思います。
こういうのは程度の問題だとも思うのですが、サマーランドはもうちょっと配慮した言い回しにできなかったものでしょうかね・・。
入園をお断りする自由があるのです!
サマーランドは「我々には入園をお断りする自由があるのです!」と言っています。
その通りです。会社にだってお客さんにビシっと物を言う自由があるのです。
そして、お客さんたちも会社に対して「 (・∀・)イイネ!」とか「(・A・)イクナイ!」とかを表明する自由があります。
アメリカのシリコンバレー企業家たちも、人々の支持を集めるためにメディアを使って政治的発言をバンバンしているそうです(この前もザッカーバーグやティム・クックが、アメリカの公衆トイレの性差別問題について州に抗議の声明を発表したそうです)
このように会社のトップが社会問題に対するメッセージを発してファンを獲得する行為は、企業にとって大変広告効果があるそうです。
今回のサマーランドの表明はネットでたいへん話題になり議論を呼びました(まとめサイトではこぞってこの騒動のことが取り上げられています)
SNS上では「サマーランドいい!」「よく正論を言ってくれた!」「俺も家族連れてサマーランド行くわ!」と肯定的な意見がたくさんあがっている様子です。
サマーランドはこの一件で、世間の人々からかなりの高評価を得られたのかもしれません。
もしかすると、これはサマーランドの広告戦略の一環だったということなのでしょうか・・?
酷い口ゲンカの応酬を見た!
私の入り浸っている某掲示板では、この「サマーランド騒動」に関して怒涛のような書き込みが集まりました。
例によって保守陣営・リベラル陣営に分かれて、なんだか口ゲンカのような煽りあいが展開されたのです・・。
リベラル陣営の人は「このレイシスト!」みたいなことを言って相手をコキおろしていました。いや~、さすがにレイシストっていうのはちょっと言い過ぎじゃないでしょうかね・・。だってタトゥー入場禁止の施設とかって、世間にいっぱいありますからね・・(あとレイシストって人種差別をする人のことじゃなかったでしたっけ?)
保守陣営の人は「タトゥーとかしてる奴は漏れなく人間のカス!」みたいな、なんだか「ウッ」となるような、ヘイト感漂う発言を色々としていました。途中で「タトゥー者は肝炎ウイルスの保有者が多いので浴場に入るべきではない!」といった、嘘だかほんとだかよく分からない説まで飛び出してきて、なんだか子どもの頃の「えんがちょゲーム」を思い出しましたね・・。
今回びっくりしたのは、世間の人々に相当根深いタトゥーへの嫌悪感情があることでした。
私にはちょっとよく理解できなかったのですが、一体この感情はどこからくるものなんでしょうか?(ガラの悪い人が苦手という気持ちは分かりますが、今回はなんだかその限度を超えたものを感じました)誰か社会学の研究とかで「タトゥーフォビア」といったタイトルで、このことを考察をしてみてくれないでしょうかね・・?
まとめ!
以上、「サマーランド炎上事変!」についてだらだらと感想文を書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
巷のSNSでは「タトゥーをしている人間は揉め事を起こす確率が高いのか?」とか「タトゥー者は本当に肝炎ウイルスの保有者が多いのか?」とか「サマーランドのルールは法的にOKなのか?」とかいろんな議論が交わされていました。
でも私が一番興味があったのは「みんなはどういう世の中を望んでいるのか?」というところです。
揉め事を起こす可能性が高い(と思われている)タトゥー者が、すぐ横にいて共存する世の中を望むのか、それともタトゥー者を生活圏からシャットアウトして、一定の距離をおいた関係を望むのかです。
今回ツイッターの発言をざっと見渡してみたのですが、だいたい「サマーランドに好印象」という人は60~70%くらい、「サマーランドに不快感」という人は30~40%くらい、といった印象でした。
世間の人々はやはり、タトゥー者にはプールとか浴場とかスポーツジムといった場所を利用してほしくない、と考えている人が多いみたいですね(やっぱりヤクザみたいな人はちょっと恐いですもんね・・)
私はなんとなくですが、タトゥーをしている人にも公共の施設とかを自由に利用させてあげたいなと思っているタイプなので、どうやら世間とは感覚がズレているみたいです。
そうです、世間と感覚がズレているので、引きこもりなんてものをやっているんですね・・。