photo by Ken Teegardin
こんにちは!ネット炎上ウォッチャーのもです!
先日DeNAが運営している医療メディアサイト「WELQ」が不祥事を起こして、一万件以上もあるといわれている掲載記事を、全て非公開にしてしまうという事件がありました!
WELQの記事には「間違った情報」や「他サイトからのパクリ」が山のようにあると言われていて、以前から問題視されていたそうです・・。
どうしてこんなことになるまで、WELQのサイトは放置されてしまったんでしょうかね・・?
今回は「WELQ」の問題について、いろいろと考えてみました・・。
エヴァを4機独占していたら世界を滅ぼせる!
DeNAは今回の不祥事を重く受け止めて、「WELQ」を含めた自社の9つのメディアについて、記事を全面非公開にする措置をとったそうです。
「WELQ」は月間7000万以上のアクセスを誇る「超マンモス級」の巨大サイトです。
この規模のサイトを九つも保有しているDeNAは、きっと想像を絶するほどの情報発信力を持っていたんだと思いますね・・。
その昔エヴァンゲリオンというアニメでミサトさんという人が「エヴァを4機も独占していたら世界を滅ぼせる!」と発言していましたが、DeNAもまさに日本を支配できるほどの影響力を握っていたといっても過言ではないでしょう・・。
これほどの莫大なアクセス数があれば、日本中のネット民たちを自由自在にコントロールして、いともたやすく意見誘導することも可能だったと思います・・。
日本人のネット世論はすべて、こういった「超巨大メディア」を握っている一部の人間たちによって、形作られているということなんですね(私も一つでもいいのでこういうサイトがほしいです・・)
アトム化するネット社会!
低品質な情報が盛りだくさんだったという「WELQ」ですが、どうしてこんなに騒ぎが大きくなるまで放置されてしまったんでしょうかね・・?
これがもし新聞や雑誌とかのメディアの問題だったら、もっと早い段階で人々の非難の声が集まって、早急に記事の品質を見直す動きが出てきたような気がします・・。
WELQのこういった「粗製乱造体制」が長らく続いてしまった理由は、おそらくネットが持つ「魔性の性質」のせいだったのではないかと思います・・。
以前、社会学者の宮台真司さんが「弾丸理論」という話をしていました。
現代人はメディアが発する情報に、まるで弾丸に射抜かれるよう「直撃」されてしまっているという話です。
古き良き昔の時代には、人々はお茶の間などでテレビを囲んだりして、「みんな」で一緒に情報に触れていました。
こういう風に「みんな」で情報を受け取る環境では、誤った情報や扇動的な情報を目にしても「これって変だよね」と、お互いで情報を訂正しあう形で「情報の自浄作用」が働くんだそうです。
しかし現代人のように個室で一人でベッドに寝っ転がってスマホをポチポチ閲覧しているような環境では、奇怪な情報を目にしてもその過ちが訂正されず、そのまま鵜呑みにしてしまう確率が高まるそうです。
ネット社会というのは、7000万回以上も人々が「WELQ」の記事を目の当たりにしているのに、まったくそれについて互いに吟味しあわない、なんだか異様なことが起きてしまう空間だということなんですね(ローカルな掲示板とかでは密かに問題提起されていたかもしれませんけどもね・・)
人々が原子化(アトム化)して公共性が希薄になってしまった社会では、ヘンテコな情報が訂正されずにいつまでも流通し続けてしまう傾向があるんだと思いますね・・。
神の見えざる手がガチで見えないネット社会!
宮台さんは、アダムスミスの「神の見えざる手」についての話もよくしています。
「神の見えざる手」というのは、市場には「需要」と「供給」が自然と釣り合うように推移する「自己調整作用」が働いているという話です(有名な言葉ですよね・・)
そしてアダムスミス曰く「神の見えざる手」がちゃんと機能するためには、「人々の共感能力」と「公平な観察者」が必要なんだそうです。
このことを逆に言うと、人々の共感的な関係性が希薄で、互いに関心も払わず干渉もしない殺伐とした空間では、需要と供給の関係が乖離して、モノの価値も適切に定まらない、なんだか混沌としたカオスな世界になってしまう可能性があるということです。
ネットにおいて「WELQ」みたいなサイトがやたらと「いいね」されたり「リツイート」されたりして、どんどんソーシャルな評価が高まってしまうことも、ひょっとして「神の見えざる手」が機能していないことを表しているのかもしれません。
神の見えざる手が働かない空間では、全然パッとしない曲がミリオンで売れまくったり、なんだかつまらない動画が人気ランキングに載りまくったり、グーグル検索で不要な情報ばっか羅列されまくってしまうという、なんだかかなしい状況になってしまうということです。
(これは見方を変えると、情報の自浄作用が無いので「ステマ」に踊らされまくってしまう、という意味でもあると思います・・)
そして、こんな状況に対して人々が溜めこんだイライラが頂点に達したころ、今回のようにふとしたタイミングでその怒りが噴出して「ネット炎上騒ぎ」に発展してしまうということです。
「ネット炎上」には人物や組織が不当に積み上げた評価を、平らにならしてリセットする効果もあるんですね・・。
生まれ変わったWELQはもっといやらしい!
日本のネット社会を暗躍し、巨大なマンモスサイトを作り上げたDeNAですが、今回意外とあっけなく自社のサイトを閉鎖させてしまいました。
これはいったいどういう意味なんでしょうかね・・?
おそらくDeNA側も、以前から自社の記事の品質が悪すぎる問題を気にしていて、いつか起きるであろうネット炎上騒ぎが持ち上がったタイミングで「組織の体質改善」を実施する用意があった、ということなのではないでしょうかね・・?
DeNAほどの資金をもってすれば、ちゃんとした専門知識を持ったライターをたくさん雇って、品質の良い記事をラインナップさせて、みんなの役に立つ清廉潔白なサイトを作ることくらい、いともたやすいことなはずです(システム自体はもう出来上がっているので、あとはちょっと執筆依頼のコスト増額すればいいだけです・・)
きっと生まれ変わったDeNAのサイトは、文句のつけようもないほど立派で、みんなに愛されるラブリーなサイト?になってしまうことでしょう。
Google検索をしたら「WELQ」のサイトの記事がずらずらと表示されて、それに対して誰も文句をいうこともできなくなる状況がやってくるということです(そしてみんなの行き処のないイライラはついに有頂天に達すると思います・・)
老舗の個人商店がファッションモールに駆逐されてしまうように、きっとこのブログみたいなしょぼいサイトはどんどん周辺に追いやられてしまう運命にあるんだと思いますね。
以前も言いましたが、今は「大人一人勝ちの時代」ということなんです・・。
私の作ったサイトなんて、誰も見てくれる人なんていないんですよねきっと(いじけモード・・)
コメント
私はもさんのブログ更新を楽しみにしています。
心理学的観点などから見解を述べてくれるので好みです。