スラヴォイ・ジジェクが考えるトランプへの「悲観的なビジョン」とは!?

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スロベニアの哲学者スラヴォイ・ジジェクが、トランプ政権への懸念点を語っています!

以下、イギリステレビ局「Channel 4 News」のインタビュー記事(2017年2月10日)の翻訳です!

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私はトランプについて懸念していることがあります。それは、左派の人々が彼を過小評価しすぎてしまう危険性についてです。

左派たちがトランプのことを「デマを流すポピュリスト」だと軽んじるうちに、ごく短期間のうちに何か重大なことをやり遂げられてしまう可能性があります。

リベラル左翼的な有名人がよくやっていることですが(典型的なのは「ジョン・オリバー」や「ジョン・スチュアート」のようなコメディアンです)彼らは冗談半分でトランプを嘲笑する態度を取ろうとします。

彼らはこの態度によって何かをとらえ損なっています。このような態度では、真にトランプの人気を失墜させることはできません。

彼らは皮肉めいた態度で、トランプの支持者たちを狂信者のように描写しようとしますが、これはたいへん残念なことです。

もはや多くのリベラル左派たちには、変革のための新しいビジョンを提示する力は残されておらず、相手の愚かしさを暴いて悦びに浸ることくらいしか出来ないのではないか、と考えさせられてしまうからです。

私が本当に恐れていることは、トランプが覇権を握っている期間(ほんの短い数年のうちかもしれませんが)に、彼が何をするかです。

すでに世界は徐々にトランプ色に染まりつつあります。そして、ポピュリズムの影響力は、ほんの短期間でも十分作用します。

ヒトラーのことを思い出してみてください。彼は初めのうちは、人々から笑いものにされるような人物でした。しかし四年間という短い期間に、着々と失業対策をなど講じて仕事を成したのです。

私が懸念しているのはこういうことです。トランプの主張は一貫性がなくて矛盾だらけです。彼は貧困に喘いでいる者や、搾取されている者たちを守ると公言していますが、実際にやろうとしていることはどうでしょうか?

より金融を自由化し、より巨大資本の側に立つ施策を行おうとしているのではないでしょうか?そしてこれらの施策に意義が唱えられることもなく、着々と彼の仕事は完成してしまうということです。

私がトランプに対して抱いている「悲観的なビジョン」とは、こういうことです。

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