photo by Jared Smith
2015年12月より、「Twitter」で個人が広告を出稿できるサービスが開始されました。
この「ツイッター広告」により、自分の作品を宣伝したいクリエイターや、何か情報を周知したい個人ユーザーなどが、ツイッターの人々に向けて広告を発信することが可能になります。
このサービスは私にとってまさにクモの糸!
今までこういった宣伝行為は広告代理店を通さないとなかなかできなかったのですが、これからはツイッターアカウントを通じてワンタッチで簡単にできるようになるというわけです。
この便利なツイッター広告、いったいどれほどの威力があるというのでしょうか・・。
さっそく身体を張って実験してみました・・!
目次
ツイッター広告の手続き!
ツイッター広告の手続きは以下のページで行うことができます。
・ツイッター広告ログイン
入力フォームの指示に従って住所氏名や電話番号、クレジットカードなどの登録を終えると、すぐさまツイッター広告の出稿が可能になります。
この間実に3分、あっという間に準備が完了してしまいます。
おそるべしツイッター広告・・!
ツイッター広告の作製!
「広告キャンペーン」の設定画面では、広告出稿のための様々な条件を指定することができます。
・「予算はいくらかけるか?」
・「どの日にち・時間帯に広告を表示するか?」
・「どんな言葉をつぶやいてる人をターゲットにするか?」
・「どんなアカウントをフォローしている人をターゲットにするか?」
・「どんな趣味・嗜好を持っている人をターゲットにするか?」
・「どんな地域に住んでる人をターゲットにするか?」
・「男性・女性どちらをターゲットにするか?」
・「モバイル・タブレット・PC等、どの機種をターゲットにするか?」
これら条件を駆使して、自分が思い描くターゲット層をドンピシャリで狙い撃ちすることができるというわけです。
しかし、各ユーザーの趣味・嗜好や性別まで把握しているなんて、おそろしいですねツイッター・・。
私はツイッターに住所氏名やクレジットカードの番号まで押さえられているので、日ごろの脳内だだ漏れのアホツイートが全て個人情報と結び付けられ、何もかもツイッター側に筒抜けということです。
なんだか恥ずかしいですね (*´ェ`*) ポッ…
広告ターゲットの設定!
今回私が宣伝するのは、以前作った「ツイッターバトラーズ!」というゲームです!
このゲーム、開発に延べ2.5ヶ月くらいかけてヒィヒィ言いながら作ったのですが、完全に泣かず飛ばずのうちに終了、今となっては完全にこの世から存在を忘れられているかわいそうなゲームです・・。
そんなかわいそうなゲームに、もう一度ツイッター広告によってスポットライトを当ててあげたい、というのがこの実験の目的です!
というわけで、今回設定した広告条件の一覧です。
・予算:3000円
・広告日時:「2016 3/15(土) 12:00」から「2016 3/16(日) 23:59」まで
・一日の最大使用予算:2000円
・つぶやき指定:「ツクール」「自作ゲーム」「フリーゲーム」
・地域:日本
今回の広告にあたり、私がどのようなターゲットを想定したかちょっと説明いたしましょう。
まず、ターゲットとするのは、「ゲームをやる側」の人というよりは、どちらかというと「ゲームを作る側」の人、フリーゲームなどを作っている「草の根同人作家」みたいな人たちを想定しました。
このゲームはちょっと変わったシステムが売りのゲームなので、普段ド派手なコンシューマーゲームをプレイしてる一般ゲーマーより、むしろ作る側っぽい人の方がシステムの新規性に目を留めてくれたり、「うわぁ作るのめんどくさそう・・」と苦労を買ってくれたりするのではないかと踏んだわけです。
「ツクール」「自作ゲーム」「フリーゲーム」あたりのつぶやきを指定すれば、比較的その辺の層の人の目に触れるのではないかと思い、これらのキーワードを指定しました。
また、「広告の日時」は休日が相応しいと思いました。一生懸命仕事をして疲れて家で休んでいる「平日」よりも、余暇を楽しんでいる「休日」の方が暇つぶしにゲームをプレイしてくれる確率が高そうです。
さらに、布団に寝転がってスマホをいじいじしている「夜21時~0時」あたりが狙い目です。この「インターネット・ゴールデンタイム」とも言える時間帯に、積極的に広告を出稿していきたいところです。
広告日時は「3/15(土) 12:00~3/16(日) 23:59」と少々幅を持って指定しましたが、できるだけこの夜間帯に広告を表示してもらえることを期待しました。
広告画像はとっても大事!
長年ツイッタラーをやってきた勘ですが、おそらくこのツイッター広告、「画像のチョイス」が広告効果の最大のネックになると感じました。
人々の目を釘付けにする魅力的な画像を張れるかどうかが、勝負の分かれ目になる気がします。
私はこの広告画像を作るのにずいぶん悩みました・・。
基本的にこのゲームはツイッターのアイコンが画面中にバンバン表示されるつくりになっているので、そのままプレイ画面を載せるとサラっと肖像権を侵害してしまう可能性があります。
いろいろ悩んだ末に、私は以下のような画像を考えました。
今話題の大統領候補二人がバトルしてる画面です。聞いたところによると、どうやら公人には肖像権がないらしいので、この画像ならセーフではないかと踏んだのです。
しかし、どうもこの画像ではインパクトに欠けてつまらない・・もう少しなんとかならないものか・・。
そこで、最近のゴシップネタに便乗して超ゲスい広告画像を作ってみました!
そうです、肖像権犯しまくりです!ベッ○ーさんや川○さんらに訴えられてもおかしくないこの画像・・。HIKAKINさんもKIRIMIちゃんも孫社長も、もし文句があったら私にメールをください、いつでも土下座しに参ります・・!
広告画像のサイズと比率に注意!
ちなみに、この広告画像ですが、広告方法に「ツイッターカード」を選択した場合「横幅800px以上」というフォーマットの決まりがあります。
また、画像の比率は「800px:320px」で固定です。この横長のなかなか厳しいフォーマットで画像を作る必要があります。
私は最初この条件を見ずに画像を作り始めてしまい、途中で画像が小さすぎたり比率が違ったりすることに気付いて、再度作り直すハメになってしまいました。みなさん画像のフォーマットには注意しましょうね・・。
また、広告ツイートの作製には、ツイッター側のレビューが入ります。
広告登録時に「このツイートはレビュー中です」と表示されて一旦審査待ちの状態になりますが、数時間くらい経つと審査OKの状態になります。
私の広告は審査OKだったので、意外と著作権関係にはうるさくないようですね、よかったよかった・・。
また、広告作製の途中で「広告ツイートは2~3個作成する必要があります」と注意書きが表示されますが、なんで「2~3個作成」する必要があるんですかね、一個で十分な気がするのですが・・?この言葉の真意がよく分かりませんが、私は一個登録するだけでちゃんと広告できました・・。
広告結果を検証!
さて長々と前置きしましたが、広告結果の検証です!
全体の広告効果!
ざっくりとした全体の広告結果は以下です。
・インプレッション:6265
・エンゲージ:236
・リンクのクリック:114
「インプレッション数」とは広告がユーザーの目に触れた回数、「エンゲージ」とは、広告をクリックして詳細をみてくれた回数、「リンクのクリック数」とはその名の通りリンクをクリックして私のサイトに来てくれた人の数です。
インプレッションあたりのクリック率は「114回/6265回 ≒ 0.018」、だいたい1.8%くらいでした。
広告が目に触れた人のうち1.8%くらいが、実際に私のサイトまで足を運んでくれたことになります。この数値はいったいどうなんでしょうか、相場よりも多いのか少ないのか、よく分かりません・・。
予算に対するクリック率は「3000円/114回 ≒ 26」、だいたい一人当たり26円を払って、自分のサイトを見てもらった勘定になります。
26円でサイトに来てくれるならば、わたしは大歓迎でお金を払いたいですね。
この数値、主観的にはかなり満足できる数字ですが、みなさんどうでしょうか・・?
アプリインストール数!
114人の方々がリンクをクリックをして私のサイトに来てくれたみたいですが、実際にゲームをプレイしてくれた人は一体どれくらいいるでしょうか?
サーバー側のログを調べたところ、広告期間中に「24人」がゲームに新規登録をしてくれました。
普段の新規登録者はせいぜい一日に0~2人くらいなので、およそ20人くらいが広告に導かれてユーザー登録をしてくれた勘定です。
トップページに来た人のうちおよそ5人に1人くらいが、実際にゲームをプレイしてくれたようです。逆にいうと、だいたい5人中4人くらいはゲームをせずに、そのままトップページから退却してしまっていることになります・・。
たしかにこのゲーム、プレイをするためにツイッターアプリの登録が必要なので、トップページに訪れてから実際にプレイするまでにちょっと心理的障壁があると思います。
もっとトップページやヘルプページの解説を充実させて、どんな内容のゲームであるか一見して分かるようなイメージを提示すれば、トップから直帰してしまう人を減らせそうです。
ゲームの開発が苦しすぎてトップページ、ヘルプページがやや手抜きになってしまっていますが、それがかなり仇になっているようですね・・。
「リツイート」と「いいね!」
今回の広告ツイートのリツイート回数は「2」、いいね回数は「9」でした。
これはちょっと残念な数字ですね・・。
リツイートがどんどんと増殖して、だれか発言力のある「有名人」の目に届き、それを通じて連鎖的にツイートが拡散されていくことを期待したのですが、完全にそんな領域まで届いていません・・。
まあ3000円程度の予算ではこのくらいの効果ということなのでしょうか。
「リツイート」や「いいね!」をしてくれた方々をよく観察してみたのですが、私が想定した「同人ゲーム製作者」的な層の人はほぼいないようでした。
私の見立てはちょっとピントがずれていたということなのでしょうか・・?
この見当外れの理由はいくつか考えられますね・・。
①このゲームはあまり魅力的でなかった、ゲーム製作者の琴線に特に触れるところがなかった。
②この広告がゲーム製作者の目に届かなかった。だいいちゲーム製作する人なんてそんなに人口いないやろ・・。
③ゲーム製作者は同業者の作品をリツイートしたりしない、ライバルに塩を送る人間がどこにいるか。
やはり自分が知らない界隈のことを勝手に想像して広告を打つのは危険ですね。こうやって小規模な実験を繰り返して、手ごたえを調べながらやるのが良い方法なのだと思います。
広告時間の検証!
今回の実験では広告期間の設定を
「2016 3/15(土) 12:00」から「2016 3/16(日) 23:59」まで
と二日間に渡る期間を指定しました。
実はこの「時間指定時」の広告動作について、ちょっぴり気に入らない点がありました。
それは「特定の時間帯」に広告が集中してしまうということ・・。
ご覧の通り広告のスタート時刻は「3/15日のお昼12時」を指定していますが、広告スタートがしてから数時間くらいの間、主に「お昼~夕方のタイミング」で一気に広告を打ち尽くしてしまい、それ以降の時間帯、主に夜間の広告がスカスカになってしまう、という事態が発生してしまっていました。
ですよねー、やはりこういう動きをするんですね・・。こうなってしまう気持ちはとてもよく分かります・・。
できるだけ特定の時間帯に広告が集中する動きをしないように、広告を分散させようとする涙ぐましい措置がとられている印象は受けましたが、しかし広告の露出がかなり偏ってしまっている事実は否めません。
実は私はこの動きを懸念して「一日の上限予算」を2000円にセットする設定をしていました。なので、3/15日の夜間帯は広告がスカスカですが、夜中0時を回って3/16日になった瞬間にまた広告が表示されだすという動きをしていました。
この設定のおかげでちょっとは偏りが緩和されたみたいです。
しかし、どうやら私の当初の狙いである「夜9時~0時の時間帯に広告を表示したい」、という目論みは残念ながらちょっとズレてしまって、あまり叶えられなかったようです。
お目当ての時間帯があるならば、ちゃんと「2016 3/15(土) 21:00~23:59」と「2016 3/16(日) 21:00~23:59」という風に、2つ広告キャンペーンを作製して、カッチリ時間指定をしてくださいということなんでしょうね。
了解しました、次回から気を付けます・・。
端末別の広告効果!
端末別の統計値は以下の通りです。
・デスクトップやノートパソコン
インプレッション:4189
クリック:82
エンゲージメント:82
エンゲージメント率:1.96%
・iOS端末
インプレッション:3249
クリック:209
エンゲージメント:120
エンゲージメント率:6.46%
・Android端末
インプレッション:368
クリック:15
エンゲージメント:16
エンゲージメント率:4.35%
モバイルよりもPCのインプレッション数の方が多い様子です。
ツイッターユーザーはPCユーザーよりも圧倒的にモバイルの使用者が多いと思うのですが、ツイッター広告は特に指定しない場合は優先的にPCに対して広告表示をしてくれているみたいですね。
私もどちらかというとPCユーザーに優先して広告を出してほしいと思っていたので、これはかなり嬉しい措置です。さすが分かってますね~ツイッター広告!
アンドロイドのインプレッションが極端に低いのはなんでなんでしょうかね・・?アンドロイド端末にはアドブロック的なソフトが入っていて広告が遮断されてしまことが多いのでしょうか・・?ちょっぴり謎な数値ですね。
性別による広告効果!
なんとツイッター広告では男女別の統計値まで分かってしまいます。いったいどうやって性別を判定しているんでしょうかね・・。そのアルゴリズムを教えてほしいです・・。
・男性
インプレッション:4457
クリック:178
エンゲージメント:180
エンゲージメント率:4.04%
・女性
インプレッション:1325
クリック:50
エンゲージメント:50
エンゲージメント率:3.77%
予想通り男性のインプレッションが多いですね、やはりゲーマーは男性が多いということなんでしょうか。
しかし、エンゲージメント率の方を見るとそれほど性差は見られない様子です。ゲームを広告する場合は「男性のみに限定する」みたいに性別絞込みの設定をする必要は特になさそうです。アダルトなゲームとかを発信する場合は、話は別かもしれませんが・・。
まとめ!
以上、「ツイッター広告」の実験でした!
こんな風にワンタッチで個人が人々に情報を発信できるなんて、なんだかすごい時代になりましたね・・。
最近こういった個人が広告を出稿できるサービスが増えてきているみたいで、「Google」や「Youtube」「Facebook」「ニコ動」などでも同じようなことができる機能が設けられています。
広大なネットの海の中では、有益な情報が日の目を見ないまま埋もれてしまうことがたくさんあるので、「個人広告」という手段はそういった眠れる価値が掘り起こされるための、良いチャンスになるのではないかと思います。
「もっと評価されるべき」的な不遇な個人クリエイターの方々にとっては、自分を売り出す新しい手段が提供されたことになるので、これは嬉しい傾向なのではないでしょうか。
しかし逆に言うと、自分の作品に対する世間の冷ややかな反応が手に取るように分かってしまって、なんだか恐いところがありますね・・。
「3000円しか払わなかったから反応が薄かったんだ!」
今回の実験結果に対して、私はこの言葉をつぶやきながら自分の矜持を保ちたいと思います・・。
「そうだよね・・24人しかゲームしてないんだもんね・・もっといろんな人に見てもらわないとこのゲームの面白さは分からないよね・・そうだよね・・そうだよね・・
ρ(тωт`) ブツブツ…」
コメント
大変素晴らしい記事です。
ありがとうございました。
はじめまして
「ツイッター広告をやってみた 結果 リスト」のキーワード検索でこの記事に辿り着きました。
エンゲージ236に対してクリックが114というのは一般的なPPC広告ではありえない凄い数字だと思います。
ターゲットはしっかり絞れていると感じました。