photo by Guillermo Viciano
どうも私は好きな人ができると、いろいろと奇行に走ってしまうクセがあるみたいです・・。
テンションが上がって相手の前ではしゃぎすぎてしまったり、ブログに恥ずかしいポエムを書き綴ってしまったり、お布団で激しく妄想をして眠れなくなってしまったり・・。こうした謎のスイッチがオンになってしまう現象は、どうやら脳内物質が関係してるみたいです。
先日CNNのサイトに、人が恋をしたときに身体に現れる様々な反応をまとめた記事を見つけました。身につまされるようなあるある体験がたくさん並んでいて、とても面白い記事なのでぜひ見てみてください!
以下、ライターのリンジー・タイガーさんが語る「How your body reacts when you fall in love(恋をすると身体はどう反応するの?)」です!
目次
- 1 恋をすると身体が反応する!
- 2 恋はドラッグに似ている!
- 3 恋はお酒に似ている!
- 4 顔が赤くなっちゃう!
- 5 好きな人を見つめると瞳孔が開く!
- 6 食べ物がのどを通らなくなる!
- 7 恋がスーパーパワーを与えてくれる!
- 8 恋人から目を離せなくなる!
- 9 恋すると声が高くなる!
- 10 会いたくて震える!
- 11 恋に落ちるとホルモンのバランスが乱れる!
- 12 失恋によってハート(心臓)が痛む!
- 13 付き合い初めが一番ラブラブの時期!
- 14 幸せ太りしちゃう!
- 15 結婚すると長生きする!
- 16 結婚すると骨が強くなる!
- 17 恋をすると眠れなくなる!
- 18 恋は創造力をかきたてる!
- 19 恋をすると大胆になる!
- 20 恋は痛みを緩和する!
- 21 まとめ!
恋をすると身体が反応する!
胸がドキドキと高鳴っていてもたってもいられない、そんな症状に陥ったことはありませんでしょうか。これはあなたが恋の病にかかってしまった証拠です。好きな人のことを思うとき、あなたの神経系やホルモンの内分泌は活発に働き始めます。あなたが恋人と出会って関係を深めていくとき、あなたの心と身体に様々な反応が起きるのです。
恋はドラッグに似ている!
ミュージシャンのケシャは「恋はドラッグ!」と歌いましたが、これはあながち間違いではありません。
2010年に行われたラトガース大学の調査で、「恋はドラッグに似た幸福感をもたらす」という実験結果が報告されました。恋のもたらす感覚は、ドーパミン・オキシトシン・アドレナリン・バソプレシンといった脳内物質の分泌がもたらす幸福感とよく似ています。
臨床性科学の研究者、キャット・ヴァン・カーク博士は以下のように述べます。
「あなたが恋人と一緒にいるとき、脳内に様々な化学物質が分泌されます。この幸福感はあなたと恋人の絆をより強く結びつける効果があります。二人で過ごす時間が長くなるほど、より二人の関係に依存しはまっていくようになるのです。これはまるでドラッグのようです。」
恋はお酒に似ている!
少量のワインをずっと飲み続けると、しだいに抑制力がなくなり、心配や不安の感情が減退し、積極的で気が大きくなることが知られています。「愛のホルモン」と呼ばれるオキシトシンによってもこれと同じ反応が起こります。バーミンガム大学の研究チームは、アルコールとオキシトシンがなぜ似たような効果をもたらすのかについて、共同出資をして研究をする計画をしているそうです。
顔が赤くなっちゃう!
デートの前になると、あなたの心臓はドキドキと脈打ち、手には汗をかいてしまいます。これは、アドレナリンとノルエピネフリンの刺激によって、あなたの感情が昂ぶっているためです。身体に現れるこの刺激によって、あなたはより相手を意識し、より相手を求める気持ちを高めるのです。
好きな人を見つめると瞳孔が開く!
もしあなたが好きな人とバーで一緒になったり、公園のベンチに座ってたり、ベッドを共にしているとき、あなたの交感神経が刺激されて、瞳孔が拡大するはずです(今すぐ恋人に試してみてください、面白いですよ!)
食べ物がのどを通らなくなる!
好きな人ができたときに、食欲を失ったりそわそわと不安になったりすることがありますが、これはごく自然なことです。あなたの身体がその人が好きだと伝えてくれているのです。
恋の病にかかると、ストレスホルモンのコチゾールの効果と似た胃の血管の収縮現象が起きます。これによって食欲がなくなり、まるで病気にかかってしまったように感じられるのです。花嫁や花婿が結婚式のときにあまり食事を取る気になれないという話をよく聞きますが、おそらくこのことが原因だと思います。
通常この反応は二人の関係がより深まり、落ち着いた関係になるにつれて解消されていきます。
恋がスーパーパワーを与えてくれる!
子供が車の下敷きになりそうになったとき、車を持ち上げて助けた母親の話を聞いたことはありますでしょうか。人間が強烈な感情にとらわれたとき、まるでスーパーマンのような力を発揮する事例がいくつか報告されています。この力は「ヒステリカル・ストレングス」と呼ばれています。
ヒステリカル・ストレングスを検証するのはなかなか難しいです。なぜなら、人間がこういった力を発揮する危機的状況を、研究室の中で再現するのが困難だからです。
ヒステリカル・ストレングスは、母親だけではなくて恋人同士の間でも生じると言われています。愛情ホルモン・オキシトシンが分泌されると、身体の痛みに対する耐久力がアップする効果が観測されています。
恋人から目を離せなくなる!
あなたが愛する人の写真をスマホの待ち受けにしたりデスクに飾ったりすることには、ちゃんと理由があります。
好きな人の顔を見つめる行為は、ドーパミンの分泌を促す効果があります。これはあたかもコカインと同じように、快楽に対する欲求と報酬の反応を刺激する効果があります。
あなたが恋人と一緒に過ごしたバケーションの写真をスクロールするとき、あなたが恋人を求める欲求が満たされ、あなたの脳に快楽の波が押し寄せてくるのです。
恋すると声が高くなる!
破局の危機を乗り越えて、再び恋人との仲を深めていく段階になると、あなたは自分の声が高くなったように感じます(あるいは実際にそうなります)
2011年の「Journal of Evolutionary Psycholog(進化心理学ジャーナル)」に投稿された論文によると、女性は魅力的な男性に話しかけるときにより高く、より女性らしい声で話しかける傾向があるそうです。
もしあなたが恋人を叱る声が、失敗した同僚を責めるときよりももっと優しげであったなら、それはきっと相手を愛しているからです。
会いたくて震える!
「あなたが恋人と離れ離れになると、まるで薬物中毒の患者のようになってしまうことがあります」
ニューヨークの医師、セレナ・ゴールドスタインはそう述べます。
「恋人と会えないストレスによってコルチコトロピンというホルモンが分泌されます。これは不安や抑うつ感を高める作用があります。遠距離恋愛をしているカップルは頻繁に電話で会話をしますが、声を聞くことによって不安感を解消しようとしているのです」
恋に落ちるとホルモンのバランスが乱れる!
交際を始めて最初の1~2年の時期、あなたは好きな人に夢中になるあまりに変な振る舞いをしてしまうかもしれません。これはホルモンのバランスが乱れるからです。
2004年に発表されたの神経心理学会の論文で、恋愛によってホルモンのバランスが変化することが報告されています。恋愛関係にある人の体内では、ストレスホルモン・コルチゾールの分泌が増加します。また、テストステロンの分泌は男性においては減少、女性においては増加するそうです。
失恋によってハート(心臓)が痛む!
失恋は文字通りハート(心臓)を痛めてしまう作用があります。
アメリカ心臓協会によると、大切な人と死別したり、離婚したり、別れたり、大きな感情的ストレスを経験した時「ストレス誘発性心筋症」を発症する可能性があるそうです。
この症状は心臓発作に似ていて、息切れがしたり、動悸がしたり、胸に痛みが走ったりします。この「失恋症候群」は心臓にダメージを与え、最悪の場合死をもたらしてしまうことさえあります。この症状は病院で治療可能であり、数週間以内に完治することが可能です。
付き合い初めが一番ラブラブの時期!
付き合い初めの恋人同士は、お互いのつないだ手を離すことができません。しかし、この熱々の状態は長期間続くことはありません。特に女性においてはそうです。
オンタリオ州グエルフ大学の研究者らは、170人の男女について、関係の満足度・性的満足度・性的欲求の大きさについて調査を行いました。その結果、男性の性的な欲求は比較的長期に渡って安定していましたが、女性の性的機能指数(性的満足度の指標)は一ヶ月ごとに0.2ポイントずつ減少していくことが分かりました。
もし二人の性的関係が冷えてきたと思ったら、何らかの方法で熱々の状態に戻れるように巻き返しを図ったほうがよさそうです。
幸せ太りしちゃう!
「幸せ太り」という言葉がありますが、これは本当です。
2012年「Journal of Obesity」に投稿された論文では、結婚生活が落ち着いてくると徐々に二人の体重が増加しはじめる傾向があることを報告しています。
また別の論文では、男性と同居するようになった女性は、脂肪分・糖分の高い食べものを取るようになるという報告があり、新婚の女性は5年以内におよそ11キロ太るという報告もあります。
健康管理の専門家シンシア・サスは、彼女のクライアントが幸せ太りをしてしまう例がたくさんあると述べています。彼女は幸せ太りを防ぐためのレッスンを教えているそうです。
結婚すると長生きする!
愛する人と生活を共にすると長生きになります。
デューク大学医療センターが四十代の人々の健康を調査したところ、既婚者の人々はそうでない人々に比べて早期死亡のリスクが低いことが分かりました。
また、ニューヨーク大学ランゴーン医療センターの調査では、既婚者の人々はそうでない人々に比べて強い心筋機能を持っていることが報告されています。特に男性においては、血管疾患のリスクが5%も低かったそうです。
結婚すると骨が強くなる!
さらに男性にとって朗報です。
UCLAが25才以上の男性の骨を調査したところ、既婚者の男性は強い骨を持っていることが分かりました。
しかしここには一つ罠があります。
強い骨を持っていたのは快適な結婚生活を送っていた人々だけでした。夫婦関係がうまくいっていない男性は、それほど丈夫な骨を持ってはいなかったそうです。
恋をすると眠れなくなる!
夜になってもデートの事を考えて続けてしまい、熱病のように浮かされた気持ちになってなかなか眠りに付けなくなってしまうことがあります。
青少年の心理を調査した研究によると、恋人と付き合い始めの時期はエネルギーに満ち溢れて、ポジティブ思考になる傾向があるそうです。この状態が朝から晩まで持続して、睡眠を妨げてしまうことがあります。
カーク博士は「恋人との関係気に病みすぎるとホルモンのバランスの変化によって意識が過集中の状態に陥ってしまう」と指摘しています。
恋は創造力をかきたてる!
「抑鬱は創造力の源になる」と多くの作家が話しています。しかし、恋愛が創造力の源になるケースもあるようです。
2015年「Journal of Family Issues」に投稿された論文では、恋愛関係が創造力に火をつける効果があることを報告しています。彼らはその仕組みを次のように説明しています。
恋愛関係にある人は、二人の計画を短期的なものからしだいに長期的なものに変えていきます。この変化の最中で、情報を処理する仕組みが、理性と感情と統合的にとらえる「ホリスティックアプローチ」が可能な体系に変わっていきます。この情報処理体系の変化が、創造力の発揮に繋がっていくというわけです。
あなたは、デートの計画を練るときは理性的に、相手を口説くときは情熱的に振舞います。こうやって理性と感情の働きを統合して、うまく使い分けをしながら恋愛をしていくのです。
恋をすると大胆になる!
ペンシルベニア州の社会学者の調査によって、恋人と良好な関係にある女性は新しい事に積極的にチャレンジする傾向があることが分かりました(ベッドの中の行為も含めてです!)
彼女たちは新しい経験に対して満足する傾向が高く、さらにそのことが新しいことにチャレンジしていく動機を高めていくそうです。男性の方は女性を輝かせるために良好な関係を築いてあげましょう!
恋は痛みを緩和する!
2010年、スタンフォード大学医学部の研究で、恋人との良好な関係は、医薬品と同じくらい慢性疼痛を緩和する効果があることが報告されました。
「恋愛感情には脳の痛みを緩和する部位を活性化する作用があります。これは鎮痛剤と同じ効果です」と研究者は語っています。
「恋愛感情がどのように報酬系神経回路を刺激するのかが明らかになれば、新しい鎮痛の方法を開発できるかもしれません」と医師は話しています。
まとめ!
以上、リンジー・タイガーさんが語る「How your body reacts when you fall in love」でした!
「恋をすると様々なホルモンが分泌されて普段とは違った身体の感覚をもたらす」ということなのでしょうか、恋の病もちゃんと医学で説明が可能なんですね!
この記事を読んでいて有名な「吊り橋効果」の話を思い出しました。吊り橋を渡るときのドキドキ感と恋愛のドキドキ感を混同してしまい、しだいに相手を異性として意識してしまうようになるという実験です。
好きな人のことを考えるとドキドキしてしまい、ドキドキを感じて好きなことを意識してしまう。心と身体はどちらが先とも後ともいえない、コインの裏表のような密接な関係にあるみたいですね。
この記事の話で一番興味深かったのが「恋は創造力をかきたてる!」というやつです。
よくミュージシャンとかが「恋愛をするといい曲が書ける!」と話していますが、本当にこういうことが起きるみたいですね。
この記事の原文には「恋愛関係の最中で、短期的な方略から長期的な方略に取り組むように情報処理のプロセスの変化が起きる」ということが書いてあります。この情報処理プロセスの変化によって「パッション」と「計画性」を統合的に扱う「ホリスティック・アプローチ」ができる思考に変わるそうです。
ホリスティック・アプローチとは、「心と身体」「理性と感情」「私と公」といった相反する要素を統合的に扱うことで問題解決を図るアプローチのことです。複雑系の科学や教育、心理学、マーケティング、マネジメントといった、いろんな領域でホリスティック・アプローチの話が登場します。
「相手が欲しい!」という原始的・短期的な欲望と、実際にそれを実現するための長期的計画を練るうちに、理性と感情がバランスよく連動するホリスティックな回路が開かれていくということなのでしょうか。
「抑うつ状態になると創造力が発揮される」という作家もいるようですし、創造力とはどうやら今まで過ごしてきたルーチンから抜け出し、新たな認知体系への組み換えが起きるときに発揮されるものみたいですね。
私のように家に引きこもって毎日同じ暮らしをしていると、創造力とは枯渇してしまうものなんでしょうか・・。
創造力ほしいです・・・(´・ω・`)
参考サイト・参考文献:
参考「How your body reacts when you fall in love」, Lindsay Tigar(2016)
参考「ホリスティックとは?」, 日本ホリスティック医学協会